Luv*kissxx blog
オリジナル学園恋愛小説サイトの更新情報や公開作品のSSを時々掲載。 拍手お返事、つぶやきなど
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- 2011.08.18 aqua SS 「見られたくないキミの顔」
- 2011.06.17 aquamarine番外編・Love family あとがき
- 2011.06.09 aqua SS 「負け惜しみのキス」
- 2011.05.31 aqua SS 「恋の相手はいずこ」
aqua SS 「見られたくないキミの顔」
<aquamarineより 碧×マリン×皐月(ママ)>
宙(そら)やマリンの母親はカメラマンだって話は聞いてた。
世界中を飛び回って家に帰って来るのは年に一度あるかないかだとかってことも。
1/365の確立に遭遇できたオレは、ラッキーくらいに思ってた。
……けど。やっぱりあの“如月家”の母親だけある。
タダ者じゃあ、ない。
「ねえ碧(アクア)くん、ちょっと脱いでみて」
「……は?」
初対面で緊張の解けないオレをファインダー越しで覗いたまま注文を付けてきた。
――見逃してる風景を切り取ることにかけては天才だって思うよ。
マリンの説明からすれば人物専門じゃないってことは確かなはずだ。
「そーいうのも……撮るんですか」
「いいから早く」
鋭く言われてシャツに手をかけ一気に引き抜いた。
じり、と照りつける日差しの射すような痛みよりレンズの向こうに控えた視線の方が、オレにはよっぽど堪える。
夏休み。父親の仕事が落ち着いたところで家族で別荘に行くから一緒にどうだとマリンが誘ってきた。
断る理由はなかったものの、水入らずのところを邪魔することには抵抗を感じて申し出たところ。
“だからこそ、碧を呼びたいんだよ。父さんにきちんと会わせてなかったし”
……やっぱりあいつは男前だった。
別荘の近くにほぼプライベートビーチみたいなものがあるから、と誘い出された先に待っていたのは滞在メンバーとして聞かされていなかったマリンの母親……で、ものの数秒後に“脱いでみて”発言。
けど、やっぱりプロだ。
規則的にシャッターを切っていく音と伝わってくる空気が、意外に気持ちがいいもので。
「いい顔するじゃない。モデル向いてるわよキミ」
本職に言わせてしまうほど乗せられていたようだった。
「ちょっと母さん、何してんの! 碧も言われるがまま脱いだりするなよバカ!」
「怒った顔が相変わらずそそるわね、マリン」
「自分の娘に言うセリフじゃないと思うけど」
「んふ。そういうところ、彼にそっくり。だから好きよ」
母娘というよりは姉妹みたいな会話だ。
だいたい顔が、そっくりなんだ。マリンをもう少し肉付き良くして色気を盛った雰囲気の母親は、使う言葉とか口調はどことなく長男の蒼さんを思わせる。
「碧はいい加減服着ろってば」
こっち、といつになく強引に腕を引いていくマリンの耳が心なしか赤い。
「なんでお前が照れてんだよ」
「違う! 気付いてないの碧……自分の体、良く見た?」
ふい、と顔を背けてそれだけを言う。
「気付くってなに……」
見下ろした胸元に心当たりが控えめに居座っていた。
「こんなんじゃバレねーよ。ばあか」
シャツを羽織って隣の頭を軽く小突く。自分でつけた咬み痕がお天道様の下で晒されていることが耐えられないらしい。しかも母親に写真まで撮られてたとなれば――まぁ気持ちが分からないでもないけどな。
「あたしは恥ずかしいんだって!」
「オレは嬉しかったけど?」
「ばっ……!!!」
露骨に顔面を赤く染めるマリンが可愛くて、逃げないように手を繋いだ。
「ここ暑いから海で足冷やしたいんだけど、オレ」
「一人でいけば」
波打ち際へ誘う手に逆らう力がなかなかなもんだ。
「じゃ、そのまま泳いできてもいいのかよ」
容赦なくシャツを脱いでやるぞと脅しをかければ、悔しそうに唇を噛みしめて「分かったよ」と小さく漏らした。
「……母さんは普段滅多に人を写さないんだ」
マリンと二人手を繋いで踏みしめる足元の砂が、引いていく海に攫われる。
ふわっとそこだけ取り残されるような独特の感触を楽しんでいると、突然そんなことを語りだした。
「だからすごくびっくりした」
「へえ……あれ、でもお前の部屋に飾ってある写真ておじさんだろ?」
母親の部屋を使っているマリンのベッドサイドに飾られている数枚の写真を思い出す。
学生時代に陸上をしていたという父親の写真ばかりが、並んでいたはずだ。
「父さんを撮ったのが人を写した初めてだって聞いたんだ。陸上をやめてからは撮ってないはずだよ」
それは感慨深いような恐れ多いような気がするな。
「あんまり……夢中になって撮って欲しくない。母さんの写真には気付かされることが多いから、あたしが知らない碧の顔とか写ってそうで嫌なんだ」
――マリンはいつだって焼きもちを恥ずかしがらずに口にする。
すげえよ、マジで。あんまりあっさり言ってくれるもんだから、こっちは全然カッコがつかない。
「んなもんねーよ」
慰めのつもりがちっとも役立たなかったらしい。
瞼を伏せがちのマリンにオレは気付かれないように息を吐いた。
そして、正面から被さるようにキスをした。
「被写体頼まれても次は命懸けで拒否るから、万が一の時は骨拾えよマリン」
「……そんなもの残らないかもしれないけど。そん時は拾ってあげるよ」
嬉しそうに笑いながら恐ろしいことを口にする。
好きな奴には笑ってて欲しい。どんな些細なことだって。
数日後。
オレの元にマリンの母親から封筒が送り届けられてきた。
中に入っていたのは写真が数枚と、メモが一枚。
浜辺を歩いているオレたちの写真と、キスをしていたところもばっちり押さえられていた。
最後の一枚をみて、メモの言葉の意味を知る。
“キミが知らないマリンの顔。門外不出”
シャツを脱いだオレをボカして、その向こうで波を背景に泣きそうな顔をするマリンにピントを合わせてある。
波に攫われていきそうな切ない表情。
自分の知らないオレを写し撮られることに怯えた、愛おしいヤキモチ顔だった。
(なんだよ、オレの顔なんて全然見えてなかったのか)
まんまとハメられた感は一杯なのに、手元の写真で心が和む。
こんな顔、誰にも見せるかよ。
END
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はい、ということで夏をテーマにお送りしましたSS。
碧の独白にて母親・皐月が初登場。父親も出すつもりだったのに……あれれ??
皐月から碧への夏の贈り物。娘を頼んだ、というエールなのかも。
男前家系の血統は、この皐月から流れているのでしょうね^^
aquamarine番外編・Love family あとがき
まずは読了ありがとうございました!
本当ならばこのお話、バレンタインに上げるはずだったけど間に合わず。
サイト開設一周年記念企画として、分岐を三編くっつけるというおまけつきで公開です。
マリン×碧を始めとして、修兵、蒼のパートナーが登場。
宙は……相変わらずな感じで(笑)
全員集合した場所で用意されていたのは??
本編途中に分岐で二編ご用意。
修兵分岐はR18つけましたので閲覧ご注意くださいませ。
そしてラストにマリン×碧編。
今回は女性陣に積極的傾向が見られます。
七海なんてもう、意外??
以下ネタバレ含みます。
aqua SS 「負け惜しみのキス」
<aquamarineより宙の中学時代>
「つ……付き合ってあげても、いいよ」
明日はバレンタインデー。
きっとたくさんの女の子からチョコをもらうだろうから、ちょっとだけフライング。
偉そうな態度が許されるのは、相手が小学校からの付き合いがある如月宙(きさらぎ そら)だったから。
きょとんと目を丸くして私を見るから、だんだん恥ずかしくなってきて思わず顔を背けてしまった。
ヘラヘラしてばかりで先生からよく注意をされていた。
面白くて優しい宙は頭は悪いけど運動神経は学年一だった。
中学に入って変わったのは本人の見た目と周囲から向けられる好意的な視線。
……もてない訳がなかった。
「宙くんてさ、結(ゆい)ちゃんのこと好きなんじゃなーい?」
ずっと冷やかされ続けるくらいには仲がよくて、私自身も勘違いしそうになるほど他の女子とは接し方が違う気がした。
極めつけは、何気なくつぶやいた宙のひと言だった。
「オレ、結といると楽なんだよねー! 以心伝心? 仲良しこよし?」
無邪気な顔して笑ってたけど、私の方は心臓が止まりそうなくらい驚いてたなんて絶対知らない。
男友達と出かけるって話になっても「じゃあ結も誘っていい?」って平気で言うし。
席が隣になれば「結が隣になりますようにって願掛けしといたんだ」ってVサインしてみる。
告白してくる女の子がいても断ってるって話を聞いたから。
宙はきっと私に気があるんだって、思ったの。
――黙ってないで、何か言って欲しい。
緊張しすぎて足が震えそうだった。かっこ悪い。
宙はまだ驚いたままなのかな。
ちらり横目で伺うと、真面目な顔をして一歩二歩と近づいてくる。
「……そ、宙」
目の前に来たかと思えば、そのまま抱きしめられた。
ドキドキが信じられないくらい早くなって、息が苦しくて、声が出せない。
「結」
顔のすぐ横で名前を呼ぶ宙の声にぎゅっと目をつぶった。
体が内側から壊れそうなくらい緊張してる。
――宙。大好き。
こんな展開になるんだったら、素直に言えばよかった。嬉しくて泣きそうだった。
「ごめん」
――え? 今、なんて?
突然時が止まったみたいに真っ白になる。
「オレ、結は大事な友達だって思ってるからこんな風にぎゅってできるんだよ。だから……付き合うとか、そういうのは違うかな」
ダイジナ、トモダチ。
ただの友達でいられたらきっと嬉しい言葉だったはずなのに、好きが絡むとどうしてこんなにも残酷に聞こえるんだろう。
「結のこと大好きだけどラブじゃないんだよね」
どれだけ人の気持ちを抉り取ったら気が済むんだろう、この男は。
もういいよ、小さく言えば簡単に腕を解かれてしまう。友達のハグ。
――このままじゃ、私がすごくバカみたい。
「ごめん……んっ!?」
二度も謝ったら私が惨めになるだけだって気づいてよ。
強引に引き寄せた宙の顔が、また驚きの色に染まる。
「バイバイ、宙」
初めてのキスは、私がもらうから。
宙の記憶に一生残る思い出を私にもちょうだい。
**END**
昨晩ツイッター診断メーカーでお遊びした結果から生まれたSS(笑)
実際の結果はこちら↓
「瀬谷和泉が好きな人に「付き合おうか?」と言ったら…相手はしばらく沈黙した後そっと抱きついてきます。 http://shindanmaker.com/123458 それで「ごめん……」とかナシだよ?」
……で、ごめんの場合どんな展開になるだろうかと作ってみたら、こんな感じに。
宙、抜擢おめでとうww
aqua SS 「恋の相手はいずこ」
<aquamarineより宙(そら)×碧×マリン>
何か気付いたら。
彼氏・彼女持ちじゃないのって、オレ一人だったりする?
親友の碧(アクア)と妹のマリン。
目に見えてラブラブ、ってワケじゃないけどさ? 一緒にいること多いし。
サッカーの試合中バリのアイコンタクトとかすっげぇしてるし。
マリンがすっかり「女の子」っぽくなっちゃって、おにーさんとしてはちょっぴり悲しいような。
しゅーへーだってさ。
最近は「ちょっと出掛けてくるわ。遅くなるから、戸締りしっかりな」なんて堂々と外出するようになって。
いよいよ結婚しちゃうのかなぁ! って蒼(あおい)に話したら。
「俺の方が先にするかもしれないよ」
って爆弾発言飛び出すし!!
でも蒼の相手って? バイト先の彼女とは昨年のクリスマスに別れたでしょ?
そんなすぐに出来た相手と?
まさか……
「出来ちゃった婚????」
オレは頭を抱えた。
今日もまた、碧がウチに遊びに来た。
目的はマリンなんだろうけど、気を使ってくれてるのかオレの相手もしてくれて。だけど自然と広がる二人の世界には入っていけなくて。
「彼女ほしー」
思わず、ぼやいた。
「珍しいな。宙(そら)がそんなこと言うなんて」
「欲しがる前にその性格何とかしないとマズイんじゃないの?」
優しい親友に、容赦のない妹。
そりゃあさ、オレだってそこそこモテるんだよ?
何人かと付き合ったこともあるし。それなりに、一通りの経験もしてるし。
そーだよ! 経験値でいったら、碧なんかよりオレの方が全っ然上なんだよな!
――でも現実を見てみれば、碧にはマリンと言う彼女がいて、オレは一人。
「さびしー」
クッションに顔を埋めると、碧とマリンがぶつぶつと話し始めた。
「いいヤツなのになー」
「同性の言う“いいヤツ”って、異性受けしないらしいよ?」
「……お前に恋愛語られるとは思わなかった」
「未遊(みゆ)がさ! 言ってたんだよ、そんなこと」
「じゃあオレは同性からは毛嫌いされてるってワケ?」
「そうなんじゃない」
「あのなあ。フツーはそこでフォロー…しねえか、マリンの場合」
「あたしが好きなだけじゃ不満なの、碧」
「べっ、別にんなこと…つかこんなとこで言うなよ」
あーすげぇヤらしーなぁ。
オレにまで気ぃ遣っちゃってさぁ。
「ああもう! いちゃこらするなら部屋でして! ちゅーでもなんでもして来なよ! あ、でも最後までするなよ! 訊き耳とか立てちゃう自分がヤだから」
「――訊き耳立てんなよ」
さらっと碧。・・・あ、実は結構その気だったりして。
「バカなこと言ってんじゃないってば!!」
スリッパで殴ってくるマリン。
蹴りが入らなかっただけ良かったなー。
「大体さ、宙の好きな女の子のタイプとかって全然わかんないよ」
「あー確かに。てんでバラバラ」
元カノを全部知ってる碧が言う通り、付き合って来た子のタイプはみんな違う。
「お前から告って付き合ったことないだろ」
「……ない」
可愛いなーとか。
ぎゅうってしたいなーとか。
チューしたいなーとか。
そんなことは思うけど、「好きだなー」って思ったことはないかも。
「どこかにいるよ」
マリンの声に、思わず顔を上げた。
「宙にも好きだって思える女の子は、どこかにいるって」
「経験者の言葉は重いな」
「うるさいな」
それはマリンにとっての碧のことなんだって分かる。
「そーだよなぁ。あのマリンが男に興味持つなんて、一生ないと思ってたくらいだしー」
どこにいるのかなぁ、オレが好きだと思える女の子。
早く現れないかな。
ホントの恋愛、っていうのしてみたいよ。
碧やマリンみたいに、いい表情(カオ)できるような。
誰かに羨まれるような、恋愛。
******************
今回のSSはアメブロに掲載したものを引き揚げてまいりました。
「aquamarine」のおとぼけ次男・宙の独白ちっくな切ない悩み。
にぎやかファミリーの如月家はネタが尽きない、ほんと楽しい。
本編未読の方にもぜひ読んでいただけたらと思います^^
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